インタビュー: 張 平成

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Jan 12,2024

張平成は1992年、中国、江蘇省無錫市出身の作家。現在は千葉県を拠点に活動している。

張平成の制作活動やバックグラウンドについてインタビューを行った。

ご自身のバックグランドについて少し教えてください。

故郷(無錫)は江南形式的の水上庭園が有名です。私は太湖という広い湖の近くで庭園の瓦や湖を眺めながら生活してきました。記憶の中で、故郷の青瓦はさっぱりしていて、まるで永遠に空への合流点にたたずんでいるように頑張っていました。 近年の制作も常に瓦の輪郭イメージと曲線要素の結合によって、 記憶にもっとも原初的な模様を探求していました。 それはぼだっと雨粒が瓦に落ちた瞬間の光景かもしれません。 

小川を過ぎる, 2019, H112 x W194cm acrylic, oil on canvas

成長期の過程での興味の矛先はどこにありましたか?

私は子供の頃から絵を描くこと好きでした。絵を描いていると楽しさ、あるいは自信を見つけられました。 映画を見ることも好きです。最近よく感じるのは、映画がとても面白いということです。 映画はまるでさまざまな芸術の融合のようです。 日本の昔の映画を見ていると、庭園、寺、枯山水の場面がよく画面にでてきて、静かでシンプル、そして気取らない独特の空間の考え方を理解し、感じたくなります。 

アーティストとしてのキャリアはどのようにして始まりましたか?

大学に入る前、写実的な絵を中心にたくさん描きました。芸術とは何ですか?全く分かりませんでした。学部2年生の時、絵を描いたり、先生と喋ったり、また悩んだり 。ある日、午後青空の真下で、空白状態のキャンバスを眺めて、なにかを探したとき、突然、 「自分の絵が描きたい!」あるいは「自分しかできない絵が描きたい!」との意識が出てきました。その時から迷わず絵を描けるようになりました。

小川を過ぎる11-1, 2020, oil on canvas, H194 x W112cm

あなたにとってのインスピレーションは何ですか?

私にとってのインスピレーションはほとんど自然界からいただきました。天体、山川草木、動物など、自然に作られたものは全て私のインスピレーションになります。

例えば、川を眺めていると川に存在している石とか水草とか、ぼんやりと見えてきます。なんとなくそこにあるんですが、はっきりと見えないです。自宅の隣に川があり、川を過ぎる時よく白鷺とか亀などの動物に気付きま した。すごいのんびりな生活じゃんってぼっとしながら、僕の未来を想像しました。水面に様々な景色が映るので、空とか樹が見えたり、たまに自分の顔も見えてきたり。 川はゆれ動いて定まらない水、川の動きかたは何回も観察したけれど、まだまだ理解できず、何回も川の動き方を真似し、絵を描いてみました。 私は水を用いて絵を描きます。水は流動的な属性があり、コントロールされないものだと思います。絵の具と混ぜ、キャンバスに絵を描く時。水は画面の高さにより、また風の影響で自分が想像できないところへ勝手に行きます。 けっきょく、水は蒸発するので、最後キャンバスに残った物は絵の具だけではなく、水と絵の具一緒に展開した動きの響きと跡は永遠に存在しているはずです。 

自然は私たちを作り、そして、私たちは自分の自然を作ります。

小川を過ぎる11-30, 2020, oil on canvas,
H194 x W112cm

好きな作家は誰ですか?

1950年以降の「ミニマリズム」と「もの派」は素晴らしいです。その中で特に好きなのはロバート・ライマンと関根伸夫です。一見すると作品全体が白い絵の具しか見えないロバート・ライマンや、土でできた円柱にしか見えない関根伸夫の作品など。これらのシンプルな作品表現には、空間と素材に対する深い探求、そして創造性や芸術形式への絶え間ない追求が含まれています。

作品を作る中で一番エキサイティング、魅了される場面はどんな時ですか?

私にとって、作品を作るため、日々の生活を観察することが必要です。そしてやはり何かを発見した時には一番ワクワクしますね。

例えば、鉛筆で絵を描くのは好きです。鉛筆の素晴らしい特徴の一つは:鉛筆で引いた線が消しゴムで消せるということです。しかし、消しても痕跡が残り、ある日、そんな細やかな痕跡に目が覚める思いでした。

鉛筆を使って絵を描く時、引き違いの線はその時、すぐであれば消せますが、1週間や2週間経つと、だんだん消せなくなります。恐らく、紙やキャンバスに定着した鉛筆の線は徐々に画面に染み込むのでしょうか。

面白い構図、新しい思考、見たことない空を発見しつつ、生活していきたいです。最近は家の近くの小さい川に映った暖かくて、純真な空を見つけました。

プロフィール

1992年中国、江蘇省無錫市出身。名古屋造形大学造形学部洋画コース卒業。多摩美術大学博士前期(修士課程)油画専攻修了。
現在は千葉県を拠点に日常生活の中で少しづつ変化する情景や心象を捉え、自然体な抽象表現で作品を制作している。

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